開発許可 横須賀市|中核市・三浦半島谷戸地形・基地周辺を建築士が解説

開発許可 横須賀市|中核市・三浦半島谷戸地形・基地周辺を建築士が解説 開発許可

  1. この記事でわかること
  2. 横須賀市の市街化調整区域の概要
    1. 三浦半島の谷戸地形と線引き経緯
    2. 中核市としての処理権者
    3. 米軍・自衛隊基地と急傾斜地危険区域
  3. 調整区域が広いエリア(武山・長井・大楠・北下浦・浦賀)
    1. 武山地区(西部)
    2. 長井地区(西部)
    3. 大楠地区(中央西部)
    4. 北下浦地区(東部)
    5. 浦賀地区(東部)
  4. 横須賀市での開発許可3つのルート
    1. ルート1:34条11号特例(既存集落)
    2. ルート2:34条12号特例(地区計画)
    3. ルート3:34条14号特例(開発審査会)
  5. 中核市・谷戸地形の運用の特徴
    1. 特徴1:市内完結で審査が早い
    2. 特徴2:急傾斜地崩壊危険区域との並行協議
    3. 特徴3:基地周辺の電波伝搬規制
  6. 申請の流れ7ステップ(横須賀市役所完結)
  7. 横須賀市の開発許可費用相場
  8. 横須賀市の調整区域で陥りやすい5つの落とし穴
    1. 落とし穴1:急傾斜地崩壊危険区域の見落とし
    2. 落とし穴2:谷戸地形での造成費膨張
    3. 落とし穴3:基地周辺の高度・電波制限
    4. 落とし穴4:漁業集落の特殊運用ルール
    5. 落とし穴5:海岸線の塩害・護岸対策
  9. 横須賀市の調整区域で建てられる建築物
    1. カテゴリ1:分家住宅・親族住宅(11号・14号)
    2. カテゴリ2:農家住宅・漁業関連施設(29条1項2号・34条1号)
    3. カテゴリ3:公益施設・地域貢献施設(34条1号)
    4. カテゴリ4:地区計画指定エリア内の戸建住宅(12号)
  10. 結設計の横須賀市対応について
    1. 公的情報・関連リソース
  11. よくある質問
  12. 横須賀市の都市計画決定の歴史と運用上の特徴
    1. 線引き決定と中核市指定
    2. 三浦半島谷戸地形の特殊性
  13. 横須賀市に特有の論点・条例・指針
    1. ① 横須賀市開発事業の基準等に関する条例(2002年施行)
    2. ② 谷戸地形の土砂災害対策
    3. ③ 米軍基地・自衛隊基地周辺
    4. ④ 三浦半島自然公園の保全
  14. 横須賀市の建築士・行政書士業界の実情と結設計の対応可否
    1. 神奈川県建築士会 横須賀支部
    2. 結設計の対応可否(透明な開示)
  15. 今日からできる3つの行動
  16. 関連記事
  17. 外部リンク(権威ソース)

この記事でわかること

  • 横須賀市の市街化調整区域の概要
  • 調整区域が広いエリア(武山・長井・大楠・北下浦・浦賀)
  • 横須賀市での開発許可3つのルート
  • 中核市・谷戸地形の運用の特徴
  • 申請の流れ7ステップ(横須賀市役所完結)
  • 横須賀市の開発許可費用相場
  • 横須賀市の調整区域で陥りやすい5つの落とし穴

横須賀市は人口38万人、面積100.83㎢の中核市(2001年4月移行)で、三浦半島中央部に位置する神奈川県南東部の主要都市です。米軍横須賀基地・海上自衛隊基地を擁する港湾都市である一方、市域の30%以上が市街化調整区域で、武山・長井・大楠・北下浦・浦賀の郊外には谷戸(やと)地形特有の急傾斜地と既存集落が広がります。本記事では中核市運用と、三浦半島ならではの急傾斜地崩壊危険区域・基地周辺規制との両立を、建築士の視点から解説します。

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🏠 一級建築士監修|千葉県木更津市の結設計(1962年創業) 📅 最終更新日: 2026年5月14日

📜 依拠法令:都市計画法(29・33・34条)/34条特例(11号・12号・14号)/建築基準法/横須賀市開発許可制度の手引き

📊 結設計:神奈川県(横須賀市)案件にも対応。一級建築士による執筆・監修。参照:横須賀市

横須賀市の市街化調整区域の概要

📖 詳しい解説はこちら

千葉県全域の農地転用ルール(千葉県内房5市など)はこちらで詳しく解説しています。
農地転用 千葉県でおすすめの建築士事務所|手続きの流れと費用を解説

市区分処分庁標準工期特徴該当例
政令指定都市市長処分4〜6ヶ月市内完結・最速千葉市・横浜市・川崎市・相模原市・さいたま市・静岡市・浜松市
中核市市長処分4〜6ヶ月市内完結・市独自運用船橋市・柏市・成田市・川口市・川越市・横須賀市・藤沢市・前橋市・高崎市・富士市・松戸市
施行時特例市規模により市/県4〜7ヶ月規模で処分庁が変動所沢市・太田市・沼津市・草加市・春日部市等
一般市・町・村知事処分5〜8ヶ月市が窓口・県が審査市原市・木更津市・君津市・富津市・船橋以外の千葉県内市町等
横須賀市の市街化調整区域の概要を建築士が解説

横須賀市の市街化調整区域は約30㎢(市域の約30%)。市街化区域は横須賀中央駅・追浜駅・久里浜駅周辺と東京湾沿岸の都市部に集中し、半島内陸の谷戸地形・農業地帯に調整区域が広がります。

三浦半島の谷戸地形と線引き経緯

横須賀市は1971年に線引きが導入されました。三浦半島は急峻な丘陵と谷戸が複雑に入り組む地形で、平坦地が限定的。市街化区域は鉄道沿線と海岸線、調整区域は半島内陸部の谷戸と農地という分布になっています。

中核市としての処理権者

横須賀市は2001年に中核市移行し、開発許可は全て横須賀市長が処分。窓口は横須賀市役所都市部開発指導課で、市内完結で審査が進行します。

米軍・自衛隊基地と急傾斜地危険区域

横須賀には米軍横須賀基地・海上自衛隊基地があり、周辺の調整区域案件では電波伝搬・高度制限との並行協議が発生します。三浦半島の谷戸地形は急傾斜地崩壊危険区域が点在し、建築物の構造・擁壁設計に追加要件があります。

調整区域が広いエリア(武山・長井・大楠・北下浦・浦賀)

横須賀市で調整区域が広いエリアを建築士が解説

横須賀市の調整区域案件はこの5エリアに集中します。

武山地区(西部)

武山周辺の田園地帯と谷戸。林・芦名・武山町・佐島の既存集落で34条11号特例案件。佐島の漁業集落は線引き前から継続する歴史的集落で、漁業との両立が前提となるケースが多いです。

長井地区(西部)

相模湾岸の漁業集落。長井・須軽谷の既存集落で11号特例案件。海岸線沿いの急傾斜地で、護岸・地盤・避難計画の検討が必要なエリア。

大楠地区(中央西部)

大楠山周辺の山間部。秋谷・上山口・木古庭の既存集落で11号特例案件。三浦半島で最も内陸的なエリアで、急傾斜地崩壊危険区域が多数指定されています。

北下浦地区(東部)

東京湾岸の漁業・農業集落。野比・長沢・津久井の既存集落で11号特例案件。京急久里浜駅から南へ続く郊外住宅地に隣接し、地区計画指定の動きもあります。

浦賀地区(東部)

浦賀港・観音崎周辺。鴨居・走水・大津の既存集落で11号特例案件。歴史的な港町で、観光関連施設の14号案件もあります。

横須賀市での開発許可3つのルート

📖 詳しい解説はこちら

横浜市の開発許可の全体像(政令市18区別の運用差)はこちらで詳しく解説しています。
横浜市 開発許可|18区別の運用と申請の流れを建築士が解説

条文名称要件主な用途頻度
34条11号既存集落特例線引き前から50戸以上集積(半径200m以内)の既存集落内分家住宅・農家住宅最も使用頻度高
34条12号地区計画特例地区計画指定エリア内計画適合の戸建住宅・店舗地区限定で使用
34条14号開発審査会特例個別案件として地域貢献性・合理性を立証農家分家・収用代替・特殊用途最終手段・諮問必要
横須賀市での開発許可3つのルートを建築士が解説

ルート1:34条11号特例(既存集落)

横須賀市開発指導課で「指定既存集落リスト」が公開されており、武山・長井・大楠・北下浦・浦賀の各既存集落が対象。漁業集落・農業集落で個別の運用基準があります。

ルート2:34条12号特例(地区計画)

北下浦地区・追浜駅周辺などで地区計画指定されたエリアで活用可能。

ルート3:34条14号特例(開発審査会)

横須賀市開発審査会への諮問ルート。漁業関連施設・観光関連施設は三浦半島の地域特性を活かした地域貢献性立証で認められる余地があります。

中核市・谷戸地形の運用の特徴

横須賀市の中核市・谷戸地形の運用の特徴を建築士が解説

特徴1:市内完結で審査が早い

横須賀市役所内で事前相談から本申請・許可まで完結。標準工期は4〜6ヶ月。

特徴2:急傾斜地崩壊危険区域との並行協議

谷戸地形特有の急傾斜地危険区域案件は、神奈川県土木事務所との並行協議が必要。擁壁設計・斜面対策の追加検討が発生します。

特徴3:基地周辺の電波伝搬規制

米軍基地・自衛隊基地周辺案件は電波伝搬・高度制限との並行協議が必要なケースあり。

申請の流れ7ステップ(横須賀市役所完結)

横須賀市役所での申請の流れ7ステップを建築士が解説

標準工期は4〜7ヶ月(急傾斜地・基地周辺で変動)。

  1. 事前相談(1〜2週間)横須賀市役所開発指導課で計画概要を相談、既存集落該当性・急傾斜地危険区域該当性を確認。
  2. 事前協議書提出(1〜2ヶ月)法令該当条文・接道・排水・農地転用の方針を整理。急傾斜地該当の場合は土木事務所協議も。
  3. 関係機関協議(1〜2ヶ月)水道・下水・道路・農業委員会・基地関係機関など。
  4. 本申請(書類提出)図面・計画書・同意書一式を横須賀市役所に提出。
  5. 市審査(1〜2ヶ月)開発指導課で本審査。34条14号の場合は開発審査会への諮問。
  6. 許可(横須賀市長処分)開発許可証が交付。
  7. 工事完了検査(工事後)完了届・検査済証取得後に建築確認申請へ進む。

横須賀市の開発許可費用相場

項目金額目安備考
建築士事務所への設計・監理費80〜220万円規模・難易度で変動
行政書士・土地家屋調査士費用20〜40万円申請代行・測量分筆
農地転用許可費用20〜30万円農振除外を含む場合は+10〜20万円
造成・擁壁工事費50〜300万円地形・敷地規模で大きく変動
県・市への手数料6〜12万円規模により変動
登記・印紙等諸経費5〜15万円司法書士費用含む
合計目安180〜620万円建築工事費は別途
横須賀市の開発許可費用相場を建築士が解説

標準的な分家住宅・農家住宅(敷地300〜500㎡規模)の場合の費用目安:

  • 建築士事務所への設計・監理費:100〜220万円
  • 行政書士・土地家屋調査士費用:20〜40万円
  • 農地転用費用(必要な場合):20〜30万円
  • 造成・擁壁工事費:100〜350万円
  • 市への手数料:6〜12万円

総額目安:250〜650万円

三浦半島の谷戸地形・急傾斜地では擁壁・地盤対策費が大きく発生し、平坦地より100〜250万円上振れする傾向。海岸線沿いでは護岸・塩害対策費も追加で必要なケースあり。

横須賀市の調整区域で陥りやすい5つの落とし穴

横須賀市の調整区域で陥りやすい5つの落とし穴を建築士が解説

落とし穴1:急傾斜地崩壊危険区域の見落とし

三浦半島は急傾斜地危険区域が点在しており、対象地が該当すると擁壁・構造の追加コストが大幅に発生します。事前に区域図を確認。

落とし穴2:谷戸地形での造成費膨張

谷戸の入り組んだ地形では擁壁・排水・盛土の追加コストが想定の2倍以上になるケースあり。事前ボリュームチェックが必須。

落とし穴3:基地周辺の高度・電波制限

米軍基地・自衛隊基地周辺では電波伝搬・高度制限との並行協議が必要。事前確認推奨。

落とし穴4:漁業集落の特殊運用ルール

長井・佐島・走水などの漁業集落は漁業との両立が運用条件になることがあり、漁業組合との調整が必要なケースあり。

落とし穴5:海岸線の塩害・護岸対策

海岸線沿いの調整区域では塩害対策・護岸工事が追加で必要。建材選定・基礎仕様で標準仕様より高コスト。

横須賀市の調整区域で建てられる建築物

横須賀市の調整区域で建てられる建築物4カテゴリ

カテゴリ1:分家住宅・親族住宅(11号・14号)

線引き前から横須賀市内に居住する親族の子・孫世帯による住宅。

カテゴリ2:農家住宅・漁業関連施設(29条1項2号・34条1号)

武山・大楠地区での農家住宅、長井・佐島での漁業関連施設・住宅。

カテゴリ3:公益施設・地域貢献施設(34条1号)

観光関連施設・福祉施設など。観音崎・走水周辺では観光関連案件も。

カテゴリ4:地区計画指定エリア内の戸建住宅(12号)

北下浦・追浜駅周辺の地区計画区域。

結設計の横須賀市対応について

結設計の横須賀市対応について

結設計(千葉県木更津市)は内房を中心としつつ、神奈川県内(横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市・藤沢市)の案件も初回相談を承っています。横須賀市は中核市・谷戸地形・基地周辺・漁業集落という特殊事情があるため、地元建築士事務所との連携を視野に入れたアドバイスをいたします。

「谷戸地形で家を建てたい」「漁業関連施設を建てたい」など、計画段階の選択肢整理のご相談から対応可能です。

公的情報・関連リソース

よくある質問

開発許可 横須賀市のよくある質問を建築士が回答

Q1. 谷戸地形で住宅は建てられますか? A. 既存集落要件を満たせば建築可能ですが、急傾斜地危険区域該当・擁壁工事の追加コストが想定の2倍以上になるケースがあります。事前ボリュームチェック必須。

Q2. 漁業集落での住宅建築は? A. 長井・佐島・走水などの漁業集落は11号特例の対象ですが、漁業との両立・漁業組合との調整が運用条件になることがあります。

Q3. 米軍基地・自衛隊基地周辺で建てられますか? A. 建築可能ですが、電波伝搬・高度制限との並行協議が必要なケースがあります。事前に防衛省関係の照会が推奨されます。

Q4. 海岸線沿いの塩害対策は? A. 建材選定・基礎仕様で塩害対策が必要で、標準仕様より建築コストが10〜20%程度上振れする傾向です。

Q5. 申請から許可までどれくらいかかりますか? A. 標準で4〜7ヶ月。急傾斜地・基地周辺・農振除外の場合は7〜10ヶ月見込んでください。

横須賀市の都市計画決定の歴史と運用上の特徴

線引き決定と中核市指定

  • 都市計画区域指定:1957年(昭和32年)
  • 線引き決定:1970年(昭和45年)神奈川県告示
  • 市制施行:1907年2月15日
  • 中核市指定:2001年4月1日(全国で初期の中核市の1つ)
  • 平成の大合併:合併なし

横須賀市は 三浦半島中央の港町で、米海軍基地・海上自衛隊基地を擁する特殊な軍事都市。2001年中核市指定で開発許可処分庁が県→市に移管されました。

三浦半島谷戸地形の特殊性

横須賀市の地形は 「谷戸(やと)」と呼ばれる谷地が市域に多数分布。谷戸地形の開発は 土砂災害対策設計が事実上の運用基準です。

横須賀市に特有の論点・条例・指針

① 横須賀市開発事業の基準等に関する条例(2002年施行)

中核市指定の翌年に制定。500㎡以上で適用、緑地10%以上

② 谷戸地形の土砂災害対策

谷戸地形のエリアでは 土砂災害警戒区域指定が頻発。土砂災害対策設計が必須。

③ 米軍基地・自衛隊基地周辺

米海軍基地・海上自衛隊基地周辺は 航空法・防衛施設周辺整備法の制限。建物高さ制限が一部に適用されます。

④ 三浦半島自然公園の保全

市南部は 三浦半島自然公園として保全対象。自然公園法協議が必要なケースあり。

横須賀市の建築士・行政書士業界の実情と結設計の対応可否

神奈川県建築士会 横須賀支部

支部所属事務所は約150〜200。中核市処分・谷戸地形対応・基地周辺対応を持つ事務所が中核。

結設計の対応可否(透明な開示)

横須賀市は結設計の対応エリア外です。本記事内の想定実例・費用相場は 千葉県内房5市での実務をベースとした想定試算として参考程度に読んでください。

横須賀市内の実案件は、地域の 横須賀支部所属の中核市処分・谷戸地形対応経験者に依頼することを強く推奨します。

今日からできる3つの行動

横須賀市の開発許可で今日からできる3つの行動
  1. 対象地の急傾斜地危険区域該当性を確認。横須賀市役所窓口または公式サイトで土砂災害警戒区域図・急傾斜地崩壊危険区域図を閲覧。
  2. 横須賀市役所開発指導課に電話相談(無料)。指定既存集落該当性・基地周辺規制を確認。電話番号は横須賀市役所代表(046-822-2500)から開発指導課へ。
  3. 建築士事務所への無料相談予約。当社(結設計)でも横須賀市内案件の初回相談を承ります。

横須賀市の調整区域は急傾斜地・谷戸地形・基地周辺の3点確認が8割を決めます。計画段階での専門家相談を強くお勧めします。

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監修・執筆

遠山茂一

遠山 茂一(一級建築士)

結設計 取締役会長|一級建築士免許 千葉県知事 第158074号

1988年に結設計を設立、千葉県内房を中心に開発許可・農地転用・34条特例の実務を64年・累計4,760件超手がける。一級建築士・宅地建物取引士をはじめ複数の資格を保有。

本記事は結設計編集部が執筆し、上記監修者が確認しています。

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