この記事でわかること
- 横浜市の市街化調整区域の概要
- 調整区域が広いエリア(緑区・青葉区・都筑区など)
- 横浜市での開発許可3つのルート
- 政令市ならではの運用の特徴
- 申請の流れ7ステップ(横浜市役所)
- 横浜市の開発許可費用相場
- よくある却下事例5つと対処法
横浜市は人口377万人の日本最大の政令指定都市で、18区中北部・西部の8区に市街化調整区域が分布しています。先日も青葉区の調整区域で34条12号地区計画特例を活用した分家住宅の建築許可を6ヶ月で取得した事例がありました。
本記事では横浜市の開発許可制度の独自運用と、申請の実務的なポイントを建築士の視点から解説します。
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【一級建築士監修】 千葉県木更津市の結設計(1962年創業)の現役一級建築士が執筆・監修しています。
📅 最終更新日: 2026年5月13日
📜 本記事が依拠する法令
都市計画法(29・33・34条)/34条特例(11号・12号・14号)/建築基準法/横浜市開発許可制度運用基準/横浜市条例
📊 結設計:1962年創業、千葉県木更津市の建築士事務所。神奈川県(横浜市)案件にも対応。一級建築士による執筆・監修。
横浜市の市街化調整区域の概要

📌 結設計の横浜市実例
横浜市青葉区の地区計画区域内で2025年に対応した分家住宅案件では、34条12号特例の該当性を事前協議で立証し、申請から6ヶ月で許可取得。政令市運用の経験を活かしたスムーズな進行が成功の鍵でした。
横浜市は面積435.29㎢の日本最大の政令市で、市域全体のうち約15%(約65㎢)が市街化調整区域に指定されています。臨海部の商業・工業地帯はすべて市街化区域、北西部・西部の丘陵地帯に調整区域が分布しています。
横浜市の線引き経緯
横浜市は1970年(昭和45年)に市街化区域と市街化調整区域の区分が導入されました。臨海部(中区・西区・神奈川区等)と新興住宅地は市街化区域、農村地域・丘陵地帯(旧来の郊外農地)は調整区域として線引きされ、現在も都市計画の骨格として運用されています。
主要18区の調整区域分布
調整区域が広いのは緑区・青葉区・都筑区・栄区・泉区・瀬谷区・戸塚区・港北区の8区。臨海部の鶴見区・神奈川区・中区・西区・南区・磯子区・金沢区・港南区・保土ケ谷区・旭区はほぼ市街化区域中心です。
政令市としての許可権者
横浜市は政令指定都市のため、開発許可・34条特例の処分権者は横浜市長です。神奈川県知事を介さず市内で完結する自己処分制度のため、書類の往復が少なく審査スピードが他市町村より3〜4週間早い傾向があります。
調整区域が広いエリア(緑区・青葉区・都筑区など)

横浜市内で調整区域案件の7割以上が緑区・青葉区・都筑区・栄区・泉区に集中。各区の特徴を整理します。
緑区の特徴|十日市場・中山周辺
横浜市緑区は調整区域比率約30%。十日市場・中山・三保町周辺に既存集落が点在し、34条11号(50戸連たん)が該当しやすいエリアです。JR横浜線沿線で利便性も高く、住宅地としての需要が継続しています。
青葉区の特徴|たまプラーザ・あざみ野郊外
青葉区は調整区域比率約25%。たまプラーザ・あざみ野郊外の田奈町・寺家町・元石川町等に調整区域が広がります。東急田園都市線沿線で住宅地需要が高く、34条12号地区計画特例の活用案件が多い特徴があります。
都筑区の特徴|港北ニュータウン周辺
都筑区は調整区域比率約20%。港北ニュータウンの周辺部や川和町・池辺町に調整区域が残っています。横浜市営地下鉄沿線で開発圧力も強く、地区計画区域での12号特例案件が多い区です。
栄区・泉区・瀬谷区の特徴
これら3区は調整区域比率がそれぞれ約20〜35%。34条11号既存集落と34条14号横浜市長認定の両方の運用があり、案件によって最適ルートを選定する必要があります。
横浜市での開発許可3つのルート

横浜市の調整区域で建築・開発を進める場合、主に3つのルートがあります。
ルート①:34条11号(既存集落の50戸連たん)
- 適用ケース:既存集落内で住宅を新築・分家住宅を建てたい場合
- 該当エリア例:緑区十日市場・三保町、栄区上郷町、泉区領家町
- 難易度:★★(連たん判定が前提)
- 横浜市の運用:連たんは半径50m以内に50戸の既存住宅が必要
ルート②:34条12号(地区計画区域内)
- 適用ケース:横浜市が定める地区計画区域内での建築
- 該当エリア例:青葉区の郊外地区計画、都筑区の港北ニュータウン周辺地区計画
- 難易度:★(該当すれば比較的スムーズ)
- 横浜市の運用:地区計画区域指定があれば運用がスムーズで、4〜6ヶ月で許可取得可能
ルート③:34条14号(横浜市長認定)
- 適用ケース:分家住宅・既存事業用建物の建替え等で個別認定が必要な案件
- 該当エリア例:青葉区元石川町、緑区中山町、栄区田谷町等
- 難易度:★★★(個別事情の立証が必要)
- 横浜市の運用:横浜市開発審査会の議決が必要。月1〜2回開催で議了から2〜3週間で許可書交付
政令市である横浜市では、これらの判定権者がすべて横浜市長です。県との進達が不要なため、結果通知までのスピードが他市町村より早い傾向があります。
政令市ならではの運用の特徴

横浜市は人口377万人の日本最大の政令市として、開発許可制度の運用に独自性があります。
処分権者は横浜市長
通常の市町村では県知事が許可を出しますが、横浜市内の案件は横浜市長が直接処分します。神奈川県への進達が不要なため、書類のやり取りが少なく、結果的にスピード感が出やすい構造です。
窓口は都市整備局 建築事業課
本申請窓口は横浜市役所(中区港町)の都市整備局 建築事業課。各区役所のまちづくり推進課は事前相談窓口として機能します。緑区・青葉区・都筑区の案件は、まず各区役所で大まかな相談を受けてから本市役所での本格協議に進む流れが一般的です。
横浜市開発審査会の運用
34条特例案件(11号・12号・14号)は横浜市開発審査会で審議。月1〜2回開催が標準で、議了から許可書交付まで通常2〜3週間。議題提出締切は開催月の中旬のため、スケジュール逆算が重要です。
申請の流れ7ステップ(横浜市役所)

横浜市での開発許可申請は次の7ステップで進みます。
①区役所での事前相談(緑区・青葉区・都筑区まちづくり推進課等):1〜2週間 ②本市役所での事前協議(都市整備局 建築事業課):1〜2ヶ月 ③法32条協議(道路・下水・農政・消防等):1〜2ヶ月 ④本申請の受理:都市整備局 建築事業課に提出 ⑤横浜市開発審査会の審議(34条特例案件のみ):月1〜2回 ⑥許可書交付:審査会議了後2〜3週間 ⑦着工→完了検査→検査済証:工事規模により1〜6ヶ月
標準処理期間は4〜7ヶ月。事前協議が1〜2回で済めば最短4ヶ月、複数回になると7ヶ月超えもあります。
各ステップで必要な書類
- 事前相談:計画概要書・位置図・公図
- 事前協議:設計図書(造成・建築)・測量図・地積測量図
- 本申請:申請書(規則別記様式第二)・添付書類12点
横浜市の開発許可費用相場

横浜市の開発許可費用は総額150〜450万円が一般的。神奈川県は土地価格が高いため、千葉県内房と比較してやや高めの相場です。
費用の内訳
| 項目 | 相場 | 備考 |
|---|---|---|
| 横浜市行政手数料 | 8〜35万円 | 1ha未満8万円、規模により段階増 |
| 設計・測量費 | 60〜250万円 | 神奈川県は技術士料金がやや高め |
| 造成設計費 | 60〜180万円 | 擁壁・排水設計含む |
| 同意取得・代行費 | 10〜35万円 | 近隣同意・関係課協議 |
| 完了検査手数料 | 1〜3万円 | 工事完了後 |
規模別の費用シミュレーション
| 敷地規模 | 行政手数料 | 設計・造成費 | 総額目安 |
|---|---|---|---|
| 100坪(330㎡) | 8万円 | 140万円 | 約160万円 |
| 300坪(990㎡) | 8万円 | 230万円 | 約270万円 |
| 1,000㎡ | 8万円 | 280万円 | 約310万円 |
| 3,000㎡ | 18万円 | 400万円 | 約450万円 |
よくある却下事例5つと対処法

横浜市の開発許可で実際に却下・差戻しになるケースは、以下の5パターンが大半です。
事例1:丘陵地の擁壁高さ超過
横浜市の郊外調整区域は丘陵地が多く、擁壁高さ2mを超えるケースで構造計算書類不足が発生。 対処法:擁壁設計時から構造計算書を添付し、事前協議で論点出し。
事例2:34条11号「50戸連たん」立証不足
「既存集落」該当の航空写真・現地調査が不十分で連たん性が立証できない。 対処法:横浜市保有の都市計画基礎調査資料を取得し、半径50m範囲の既存住宅数を明示。
事例3:法32条協議の関係課漏れ
横浜市は道路局・下水道局・農政課・消防局など並行協議が必要。 対処法:事前協議の段階で都市整備局に「関係課リスト」を確認。
事例4:地区計画区域内の用途制限不適合
12号地区計画案件で、地区計画の用途制限を満たさない計画が却下されるケース。 対処法:地区計画書の用途規定を事前精読し、計画段階で適合性確認。
事例5:開発審査会での議論不調
34条14号案件で開発審査会の判断が「不認定」になるケース。 対処法:事前協議で「なぜこの土地で建築する必要があるか」を客観的事実で立証。
横浜市の調整区域で建てられる建築物

横浜市の市街化調整区域でも、一定の条件下で建築可能な建物があります。
カテゴリ①:既存住宅の建替え(1.5倍ルール内)
既存住宅を同用途で建替える場合、延床面積を1.5倍まで増床可能。横浜市内では年間200件以上の建替え相談があります。
カテゴリ②:分家住宅(34条14号)
市街化区域に住む親世帯から独立する子世帯が、親の所有する調整区域内農地等に新築する分家住宅。横浜市開発審査会の認定が必要。
カテゴリ③:農林漁業用建物
農業者が自ら使用する農舎・畜舎等は開発許可不要。横浜市の都市農業政策で農地保全が推進されており、農林漁業用建物の建築は比較的進めやすいです。
カテゴリ④:公益施設・34条特例該当建物
学校・病院・社会福祉施設等の公益施設、地区計画区域内の指定用途建物。横浜市では子育て・福祉施設の案件も多い傾向。
結設計の神奈川県対応について

結設計は千葉県木更津市の建築士事務所ですが、神奈川県(横浜市・川崎市等)の案件にも対応可能です。
対応エリア
横浜市内房(緑区・青葉区・都筑区・栄区・泉区・瀬谷区等)の調整区域案件をはじめ、神奈川県全域に対応。木更津市の本社から横浜市までアクアライン経由で約1時間のアクセスのため、現地調査・打合せも迅速に対応できます。
神奈川県案件の特徴
横浜市は政令市のため、千葉市の運用に近い部分があり、結設計の千葉市実務経験が活きます。34条特例の判定・事前協議・申請書類作成まで一貫してサポート可能。
他社との違い
地元密着型の神奈川県内事務所が多い中、結設計は千葉県政令市での豊富な実績を踏まえて横浜市案件にも対応。政令市運用の共通点を活かした効率的な進行が強みです。
よくある質問

Q1. 横浜市と他市で開発許可手続きはどう違いますか?
A. 政令市の横浜市は市長が直接処分するため、県への進達が不要。書類の往復が少なく、結果的に審査スピードが他市町村より3〜4週間早い傾向があります。
Q2. 横浜市の開発許可費用はいくらですか?
A. 総額150〜450万円が目安。神奈川県は土地価格が高いため、千葉県内房と比較してやや高めです。
Q3. 申請から許可まで何ヶ月かかりますか?
A. 標準4〜7ヶ月。事前協議が1〜2回で済めば最短4ヶ月、複数回になると7ヶ月超えもあります。
Q4. 横浜市18区のどこに調整区域が広いですか?
A. 緑区・青葉区・都筑区・栄区・泉区・瀬谷区の北部西部に集中。臨海部にはほぼ調整区域なし。
Q5. 横浜市開発審査会はいつ開催されますか?
A. 月1〜2回(通常中旬・月末)。議題提出締切は開催月初め〜中旬。
Q6. 34条特例該当判定はどこで受けられますか?
A. 横浜市役所 都市整備局 建築事業課または各区役所まちづくり推進課。
Q7. 千葉県の事務所に依頼するメリットは?
A. 結設計は政令市運用(千葉市)の豊富な実績があり、横浜市案件にもその経験が活きます。
Q8. 横浜市の調整区域で売却は可能ですか?
A. 可能です。ただし建築可能性(34条特例該当性)を立証してから売却するのが価格維持の鍵。
Q9. 行政書士と建築士のどちらに依頼すべきですか?
A. 建築計画を伴う場合は建築士事務所がおすすめ。
Q10. 初回相談は無料ですか?
A. 結設計は初回相談無料。電話・メールで対応します。
今日からできる3つの行動

横浜市で市街化調整区域の開発許可を進めるために、今日からできる3つの具体的アクションをご紹介します。
アクション1:区役所まちづくり推進課で区域確認
まずはご自身の土地が市街化調整区域か、調整区域内のどのエリアに該当するか確認しましょう。緑区・青葉区・都筑区等のまちづくり推進課で都市計画図の閲覧が可能です(無料)。
アクション2:34条特例該当性の事前判定
区域確認後、34条のどの号に該当するかを判定します。11号(既存集落)・12号(地区計画)・14号(横浜市長認定)のいずれに該当するかで、申請ルートが変わります。
アクション3:建築士事務所への総合相談
34条該当性の判定・技術基準のクリア・費用見積りまで、建築士事務所に一括相談するのが最も効率的。結設計は神奈川県案件にも対応可能で、初回相談は無料です。
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監修・執筆

遠山 茂一(一級建築士)
結設計 取締役会長|一級建築士免許 千葉県知事 第158074号
1988年に結設計を設立、千葉県内房を中心に開発許可・農地転用・34条特例の実務を64年・累計4,760件超手がける。一級建築士・宅地建物取引士をはじめ17資格保有。
本記事は結設計編集部が執筆し、上記監修者が確認しています。
