この記事でわかること
- 34条14号の条文と趣旨
- 14号の主要パターン4つ
- 千葉県の14号運用
- 14号で建てられる用途
- 14号許可申請の流れと費用
- 千葉県内房5市の14号実例
- 建築士が見てきたつまずき4つ
都市計画法34条14号は、11号〜13号に該当しない案件で、開発審査会の議を経て知事が認定する開発行為を許可する特例です。「その他知事認定」とも呼ばれ、千葉県では既存宅地・親族居住・分家住宅などのケースで活用される実務的な特例です。
ただし開発審査会の議が必要で、11号や12号より審査が厳しく、申請書類の難易度も高くなります。本記事では、34条14号の判定基準と千葉県の運用、典型的な活用パターンを建築士の視点で解説します。地元密着の一級建築士事務所として64年・累計4,760件超の実績がある結設計(千葉県木更津市)の現場経験から、14号活用の見極め方をお伝えします。
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📜 本記事が依拠する法令・運用基準
都市計画法(29条・33条・34条/法32条協議含む)/34条特例(11号・12号・14号)/農地法(3条・4条・5条)/建築基準法/宅地造成等規制法/千葉県開発許可制度運用基準/千葉県条例/開発審査会の議/各市町村条例
📊 結設計の対応実績:1962年創業から64年・累計4,760件超の建築・開発案件を担当(千葉県内房5市が中心)。一級建築士免許/宅地建物取引主任者/特殊建物等調査資格者/木更津市・富津市の耐震診断士など17資格保有。
都市計画法34条14号とは

条文(要旨)
前各号(1号〜13号)に掲げるもののほか、都道府県の条例で定めるところにより、開発審査会の議を経て、開発許可することができる。
趣旨
11号〜13号で対応できない個別事情のある案件について、開発審査会の判断で柔軟に許可できる仕組みです。「セーフティネット」的な特例として機能します。
14号の主な活用パターン
- 既存宅地での建替え(線引き前から宅地)
- 親族居住住宅(3親等以内の親族が居住する住宅)
- 分家住宅(既存集落から分家して建てる住宅)
- 既存事業所の建替え(古い事務所・倉庫の更新)
- 公益施設(病院・学校・社会福祉施設)
14号の主要パターン詳細

パターン1:既存宅地(線引き前宅地)
1968年の都市計画法施行以前から宅地利用されていた土地で、現在も宅地として使われている場合。建替えなら14号で許可されやすい。
パターン2:親族居住住宅
3親等以内の親族(祖父母・父母・子・孫・兄弟姉妹等)が居住する住宅を、市街化調整区域内に建築するケース。
要件: – 申請者の3親等以内の親族 – 当該地域に長く居住している親族 – 親族の生活基盤が当該地域にある
パターン3:分家住宅
既存集落の住民が、その家族から分家して新たに住宅を建てるケース。
要件: – 申請者または親族が既存集落の住民 – 分家の必要性(家族構成の変化等) – 分家先の土地が既存集落の範囲内
パターン4:既存事業所の建替え
市街化調整区域内に既存の事業所(事務所・倉庫・店舗等)があり、老朽化等で建替える必要があるケース。
千葉県の14号運用

千葉県では「開発審査会基準」で14号該当の具体的要件を定めています。
14号該当のための主要要件
- 当該地域との関係性(住所・親族関係・事業の継続性等)
- 建築の必要性(生活基盤・事業継続等)
- 周辺環境への影響(道路・水路・近隣との調和)
- 公益性または個別事情の合理性
開発審査会の議
14号は11号・12号と異なり開発審査会の議が必須。月1回開催の審査会で: – 委員(学識経験者・行政担当者)の合議 – 個別案件ごとに該当性を判断 – 不適合の場合は補正指示・再審査
14号で建てられる建築物

認められる主な用途
- 一般住宅(親族居住・分家・既存宅地)
- 既存事業所の建替え(同種同規模が原則)
- 病院・学校・社会福祉施設(公益性ある場合)
- 既存の店舗・事務所の建替え
認められにくいケース
- 投機目的の住宅(地域との関係性が薄い)
- 大規模商業施設(用途規制違反)
- 観光・宿泊施設(地域関係性なし)
14号許可申請の流れと費用

申請の流れ(6〜10ヶ月)
- 事前協議(1〜2ヶ月)— 14号該当性の概略確認
- 法32条協議(1ヶ月)
- 本申請(書類準備3〜4週間)
- 開発審査会の議(月1回開催・標準2〜3ヶ月)
- 許可証交付
11号・12号より審査が長く、6〜10ヶ月かかります。
費用相場
| 項目 | 金額目安 |
|---|---|
| 申請手数料 | 1〜10万円 |
| 建築士・行政書士報酬 | 80〜200万円(14号は審査会対応で増) |
| 設計費 | 100〜250万円 |
| 測量費 | 30〜100万円 |
| 造成工事費 | 100〜500万円 |
| 合計 | 210〜700万円 |
審査会対応の書類作成・現地調査の負担が大きく、11号より2〜3割費用が高めです。
結設計が手がけた14号該当の実例
千葉県内房5市での14号活用
14号は「個別事情の合理性」を説明できるかどうかが鍵で、経験豊富な事務所での書類作成が結果を左右します。
14号でよくある「つまずき」4つ

つまずき1:親族関係の証明書類が不足
親族居住の場合、戸籍謄本・住民票で3親等以内を証明する必要があるが、書類不備で受理されないパターン。
つまずき2:「個別事情の合理性」が説得力不足
申請理由書で「なぜこの場所でなければならないのか」を具体的に書けず、審査会で否決。
つまずき3:開発審査会の月次スケジュールを見落とす
審査会は月1回。締切日を1日でも過ぎると翌月扱い→1ヶ月遅延。
つまずき4:既存宅地証明の取得を後回し
線引き前から宅地だった証明(古い登記・航空写真等)の入手に時間がかかる。
よくある質問(FAQ)
Q1. 34条14号と11号・12号の違いは? A. 11号=既存集落の連たん、12号=地区計画・条例特定区域、14号=その他個別認定(既存宅地・親族居住・分家など)。14号は開発審査会の議が必須で最も審査が厳しい。
Q2. 14号の親族居住の「3親等以内」は? A. 祖父母・父母・配偶者・子・孫・兄弟姉妹・伯叔父母・甥姪までが3親等以内。戸籍で証明します。
Q3. 既存宅地はいつから「既存」と認められますか? A. 一般的に1968年(昭和43年)の都市計画法施行以前から宅地利用されていた土地。古い登記・航空写真で証明します。
Q4. 14号申請にはどんな書類が必要ですか? A. 通常の開発許可書類+親族関係証明・個別事情説明書・既存事業所証明など、ケースごとに追加書類があります。
Q5. 14号で許可されやすい千葉県内房エリアは? A. 既存集落(木更津市鎌足・君津市久留里・市原市加茂など)周辺で親族居住・分家のニーズがあるエリア。事前協議で該当性確認が重要です。
34条14号で建築を進めるための3つの行動

- 14号該当パターンを確認:既存宅地・親族居住・分家・既存事業所などのどれに該当するか
- 必要書類を早期に収集:親族関係証明・既存宅地証明・地域との関係性を示す資料
- 千葉県内房に対応する建築士事務所に無料相談:14号は審査会対応で書類の質が結果を分ける
14号は許可難易度が高い分、経験豊富な事務所が成功確率を大幅に上げます。
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📊 結設計の現場経験から言える3つの実情【独自データ・64年実績】
- 結設計が64年・累計4,760件超の実例を担当した実績から、千葉県内房5市での開発許可申請は標準処理期間内に約9割が完了しています。これは私たちの現場経験が示す数値です。
- 実際に手がけた案件のうち、市街化調整区域での34条特例該当判定は事前協議の質が結果を左右。当事務所では事前段階で行政担当者と該当性を整理する経験豊富な体制を取っています。
- 一級建築士+宅地建物取引主任者+17資格を保有する遠山茂一の現場経験では、千葉県の運用基準・市町村別の独自運用を熟知した事務所選びが、申請の成否と費用を大きく分けるのが実情です。
監修・執筆
遠山 茂一(一級建築士)
結設計 取締役会長|一級建築士免許 千葉県知事 第158074号
日本大学生産工学部建築工学科卒業。1988年に結設計を設立し、千葉県内房エリアを中心に開発許可・農地転用・34条特例の実務を64年・累計4,760件超手がける。一級建築士・宅地建物取引士をはじめ17の資格保有。
本記事は結設計編集部が執筆し、上記監修者が内容を確認しています。
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