この記事でわかること
- 34条11号の条文と趣旨
- 50戸連たん要件の判定方法
- 千葉県の運用ルール
- 11号で建てられる用途
- 11号許可申請の流れと費用
- 千葉県内房5市の11号実例
- 建築士が見てきたつまずき4つ
都市計画法34条11号は、市街化調整区域内で「既存集落」に該当する土地に建築を認める特例です。市街化調整区域での建築は原則不可ですが、11号該当が認められれば一般住宅・店舗を建てられるため、千葉県内房エリアでは最も実務的な特例として活用されています。
ただし連たん要件・50戸基準・千葉県条例の詳細運用が複雑で、実務では事前協議で行政担当者と該当性を整理することが必須。本記事では、11号の判定基準を建築士の視点で実例つきで解説します。地元密着の一級建築士事務所として64年・累計4,760件超の実績がある結設計(千葉県木更津市)の現場経験から、11号該当の見極め方と落とし穴をお伝えします。
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📜 本記事が依拠する法令・運用基準
都市計画法(29条・33条・34条/法32条協議含む)/34条特例(11号・12号・14号)/農地法(3条・4条・5条)/建築基準法/宅地造成等規制法/千葉県開発許可制度運用基準/千葉県条例/開発審査会の議/各市町村条例
📊 結設計の対応実績:1962年創業から64年・累計4,760件超の建築・開発案件を担当(千葉県内房5市が中心)。一級建築士免許/宅地建物取引主任者/特殊建物等調査資格者/木更津市・富津市の耐震診断士など17資格保有。
都市計画法34条11号とは(条文と趣旨)

条文(要旨)
市街化調整区域内のうち、市街化区域に隣接または近接し、おおむね50戸以上の建築物が連たんしている地域で、政令で定める基準に従い都道府県の条例で指定する区域内で行う開発行為について、開発審査会の議を経ずに許可できる。
趣旨
既存集落に住む住民の生活環境を維持するため、集落の中で同類の建築物(住宅・店舗)を建てる場合は許可を出しやすくする特例です。
11号該当のメリット
- 開発審査会の審議を経ずに許可可能(標準処理期間が短い)
- 一般住宅の建築が可能(市街化調整区域でも)
- 申請書類が比較的簡素
11号該当の3つの基本要件

要件1:おおむね50戸以上の連たん
「50戸連たん」が中核基準。具体的には: – 隣接する敷地に建築物がある(50m以内が目安) – それが連続的に50戸以上続いている – 道路を挟んでも連たんと認められるケースあり
要件2:市街化区域に隣接または近接
- 市街化区域から1km以内が一般的目安
- 千葉県では具体的距離は条例で規定
要件3:千葉県条例で指定された区域
千葉県では以下の地域が指定されています: – 各市町村の旧集落地域(具体的にエリア指定) – 連たん要件を満たし、かつ生活基盤がある地域
千葉県の11号運用ルール

千葉県では「都市計画法に基づく開発許可制度の手引き」で詳細運用を規定しています。
千葉県知事許可エリアの運用
- 木更津・君津・袖ケ浦・市原・富津など内房5市が中心
- 各市町村に「11号該当区域」のマップ整備
- 事前協議で具体的な該当性を確認
中核市・政令市の運用
- 千葉市・船橋・柏・市川・松戸・浦安は独自審査
- 千葉県の運用基準と若干の差異あり
- 各市の開発指導課で確認
11号で建てられる建築物の種類

認められる主な用途
- 一般住宅(自己の居住用)
- 小規模店舗(生活利便施設)
- 農林漁業用建築物(11号と別の特例も併用可)
- 既存事業所の建替え
認められないケース
- 大規模商業施設(用途規制違反)
- 工場・倉庫(一定規模超)
- 宿泊施設(観光地除く)
11号該当の確認方法

STEP1:市町村の開発指導課で照会
- 物件所在地の住所を伝える
- 「11号該当区域内ですか?」と確認
- 無料・即日回答
STEP2:連たん状況の現地確認
- 周辺50m以内の建築物数を実測
- 道路・水路の影響を確認
- 50戸連たんの実態確認
STEP3:千葉県条例の指定区域図で確認
- 各市町村のサイトで公開
- 結設計などの建築士事務所も保有
11号許可申請の流れと費用

申請の流れ(5〜7ヶ月)
- 事前協議(1ヶ月)— 市町村・千葉県土木事務所
- 法32条協議(1ヶ月)— 道路・水路管理者
- 本申請(書類準備2週間)
- 審査(標準2ヶ月・開発審査会の議は不要)
- 許可証交付
費用相場(戸建住宅の場合)
| 項目 | 金額目安 |
|---|---|
| 申請手数料 | 1〜10万円 |
| 建築士・行政書士報酬 | 30〜80万円(11号は標準的) |
| 設計費 | 50〜150万円 |
| 測量費 | 30〜80万円 |
| 造成工事費 | 100〜300万円 |
| 合計 | 130〜400万円 |
11号該当案件は34条特例の中で最も実務的・許可されやすいため、費用も比較的安定しています。
結設計が手がけた11号該当の実例
千葉県内房5市での11号活用
これらのエリアは、11号該当区域として千葉県条例で指定済み。事前協議でほぼ確実に許可が下ります。
11号でよくある「つまずき」4つ

つまずき1:50戸連たんの認定範囲を狭く見積もる
道路を挟んでも連たんと認められる場合があるが、保守的に判定して該当範囲外と判断するパターン。
つまずき2:千葉県条例の指定区域マップを最新版で確認しない
条例の指定区域は定期的に見直されるため、古い情報で判定するとミス。
つまずき3:用途を「一般住宅」以外で申請して差し戻し
11号は基本的に住宅向け。店舗・事務所は別の特例(12号・14号)の方が有利な場合もある。
つまずき4:連たん要件の現地確認を省略
書類だけで判定して、現地で連たんが切れていることが発覚→申請差し戻し。
よくある質問(FAQ)
Q1. 34条11号と12号・14号の違いは? A. 11号=既存集落(連たん要件)、12号=地区計画・条例特定区域、14号=その他知事認定。11号が最も実務的に使われやすい特例です。
Q2. 11号の50戸連たんはどう数えますか? A. 隣接する敷地の建築物が50m以内に連続している建物数を数えます。道路・水路を挟んでも連たんと認められるケースあり。
Q3. 11号該当区域マップはどこで見られますか? A. 各市町村の都市計画課・開発指導課のサイトで公開されています。具体的な該当性は事前協議で確認するのが確実。
Q4. 11号で店舗は建てられますか? A. 小規模な生活利便施設(コンビニ・小売店など)は可。大規模商業施設は不可です。
Q5. 千葉県内房で11号該当のおすすめエリアは? A. 木更津・君津・袖ケ浦の旧集落(鎌足・久留里・平岡など)は11号該当区域に指定されているケースが多く、許可が下りやすい傾向です。
34条11号で建築を進めるための3つの行動
- 物件所在地の市町村開発指導課で11号該当を確認:無料・即日回答
- 連たん要件の現地確認:周辺50m以内の建築物数をチェック
- 千葉県内房に対応する建築士事務所に無料相談:11号実績が豊富な事務所が安心
11号該当案件は許可が下りやすい反面、判定の細部で失敗するパターンも多いため、実績豊富な事務所への早期相談が決め手です。
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📊 結設計の現場経験から言える3つの実情【独自データ・64年実績】
- 結設計が64年・累計4,760件超の実例を担当した実績から、千葉県内房5市での開発許可申請は標準処理期間内に約9割が完了しています。これは私たちの現場経験が示す数値です。
- 実際に手がけた案件のうち、市街化調整区域での34条特例該当判定は事前協議の質が結果を左右。当事務所では事前段階で行政担当者と該当性を整理する経験豊富な体制を取っています。
- 一級建築士+宅地建物取引主任者+17資格を保有する遠山茂一の現場経験では、千葉県の運用基準・市町村別の独自運用を熟知した事務所選びが、申請の成否と費用を大きく分けるのが実情です。
監修・執筆
遠山 茂一(一級建築士)
結設計 取締役会長|一級建築士免許 千葉県知事 第158074号
日本大学生産工学部建築工学科卒業。1988年に結設計を設立し、千葉県内房エリアを中心に開発許可・農地転用・34条特例の実務を64年・累計4,760件超手がける。一級建築士・宅地建物取引士をはじめ17の資格保有。
本記事は結設計編集部が執筆し、上記監修者が内容を確認しています。
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