市街化調整区域に用途地域はあるか|原則なし+3つの例外を建築士が解説

市街化調整区域に用途地域はあるか|原則なし+3つの例外を建築士が解説 開発許可

結論:市街化調整区域には 原則として用途地域は指定されません。市街化区域には12種類の用途地域(第一種低層住居専用地域・商業地域・工業地域等)が指定されますが、市街化調整区域は 「市街化を抑制すべきエリア」のため用途別の細分指定は不要とされています。例外として、特定用途制限地域・地区計画・農林漁業集落地区の 3つのケースでは用途的な制限がかかります。用途地域がない代わりに 都市計画法34条の特例で建築可否が判定されます。

この記事でわかること

  • 市街化調整区域には 用途地域が原則ない理由
  • 用途的な制限がかかる 3つの例外(特定用途制限地域・地区計画・農林漁業集落地区)
  • 市街化区域との 用途規制の仕組み比較
  • 用途地域がない代わりの 34条特例
  • 用途指定の 確認方法(市役所窓口・都市計画図)
  • 市街化調整区域で建てられる建物の種類
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📝 市街化調整区域の用途地域 結論サマリー

原則市街化調整区域には 用途地域は指定されない
3つの例外①特定用途制限地域/②地区計画/③農林漁業集落地区計画
理由「市街化を抑制すべきエリア」のため用途別の細分指定は不要
用途地域の代わり都市計画法34条の特例(11号・12号・14号・既存宅地)で建築可否を判定
確認方法市町村の 都市計画課で用途地域・地区計画照会(無料)
建築の流れ34条特例該当判定 → 開発許可申請 → 建築確認

📚 市街化調整区域で家を建てたい方はこちら(開発許可・34条特例の全体像)

市街化調整区域の開発許可とは|申請の流れ・費用・34条特例を建築士が解説

市街化調整区域に用途地域は指定されない(原則)

用途地域なしの原則

都市計画法上、用途地域(第一種低層住居専用地域・商業地域・工業地域等の12種類)は 市街化区域に指定するものとされ、市街化調整区域には原則として指定されません

市街化区域の用途地域(12分類)

  • 第一種低層住居専用地域 / 第二種低層住居専用地域
  • 第一種中高層住居専用地域 / 第二種中高層住居専用地域
  • 第一種住居地域 / 第二種住居地域 / 準住居地域
  • 近隣商業地域 / 商業地域
  • 準工業地域 / 工業地域 / 工業専用地域

市街化調整区域は用途地域指定なし

市街化調整区域は 「市街化を抑制すべきエリア」として、街並みの形成を前提とせず、用途別の細分指定が不要とされています。そもそも建築自体が原則制限されるため、用途地域による細分制限を重ねる必要がないという考え方です。

用途的な制限がかかる3つの例外

3つの例外

市街化調整区域でも、以下の 3つのケースでは用途的な制限がかかります。これらに該当する場合は、建築計画前に必ず確認が必要です。

例外1:特定用途制限地域

市町村が用途地域指定のない区域(市街化調整区域含む)に 特定の用途を制限する地域。例:「パチンコ店・ラブホテル等を制限する地区」など。市町村の都市計画決定で指定。

例外2:地区計画

市町村が特定地区の まちづくりルールとして指定する計画。建物の用途・規模・高さ・形態などを細かく規制。市街化調整区域でも適用可能。詳細は 地区計画とは 参照。

例外3:農林漁業集落地区計画

農林漁業の集落の 環境保全を目的とした地区計画。漁村・農村集落で指定されることがあり、市街化調整区域でも適用。

市街化区域との用途規制の仕組み比較

仕組み比較
項目 市街化区域 市街化調整区域
用途地域指定12種類すべて指定原則なし(3つの例外あり)
建築可否用途地域内の制限原則不可(34条特例例外)
建ぺい率・容積率用途地域で指定建築基準法の最低値(60%/200%等)
建てられる建物の判定用途地域で判定34条特例で判定
高さ制限第一種低層10/12m等建築基準法のみ

用途地域がない代わりの「34条特例」

34条特例で判定

市街化調整区域では用途地域がない代わりに、都市計画法34条の特例で建築可否が判定されます。これは「立地・人・公益性」を見る個別判定方式です。

34条特例の4ルート

  • 34条11号:既存集落(50戸以上連たん集落から250m以内)
  • 34条12号:自己用住宅(地縁要件・本人または親族の継続居住)
  • 34条14号:開発審査会(公益・特殊事情)
  • 既存宅地(51条1項):線引き前から宅地登記の土地

用途地域とは異なり、個別事案ごとに判定される点が特徴。詳細は 都市計画法34条 参照。

用途指定の確認方法

確認方法

方法1:市町村の都市計画図サイト

「〇〇市 都市計画図」で検索。Web上で 市街化区域・調整区域・用途地域・地区計画を一括確認できます。所要時間5分・無料。

方法2:市役所都市計画課窓口

「都市計画区域内証明書」または「用途地域証明書」を取得(300〜500円)。最も確実な方法で、融資・建築申請の公的書類になります。所要時間30分。

方法3:国土交通省「国土数値情報」

全国の都市計画情報を網羅したWeb地図。住所・地番で検索可能。無料。

市街化調整区域で建てられる建物の種類

建てられる建物

市街化調整区域は用途地域がない代わりに、34条特例の該当性で建てられる建物が決まります。実務上の主な分類:

建物種別建築可否適用ルート
農家住宅可(許可不要)29条1項2号
自己用住宅(地縁者)可(34条12号)分家住宅等
分譲住宅(連たん集落)可(34条11号)50戸連たん要件
既存宅地の建て替え可(51条1項)既存宅地証明
店舗・事業所原則不可(34条14号例外)開発審査会答申
倉庫・資材置場条件付き可建築基準法の用途規制
太陽光発電施設条件付き可農地転用5条+関連法令

用途地域がない盲点:失敗しやすい4つのミス

失敗4ミス

ミス1:用途地域がないから自由と勘違い

用途地域がない代わりに 34条特例の該当性で建築可否が判定。「用途指定なし=何でも建てられる」は誤解。むしろ用途地域より厳しいケースが多い。

ミス2:地区計画・特定用途制限地域を見落とす

3つの例外(特定用途制限地域・地区計画・農林漁業集落地区計画)に該当すると、想定外の制限がかかる。事前に 市役所都市計画課で確認必須。

ミス3:用途地域マップに調整区域の情報がないと判断ミス

用途地域マップは市街化区域中心の表示。調整区域の情報は別ページ・別マップに分かれていることが多い。「白塗りエリア=市街化調整区域」の場合もあります。

ミス4:用途地域で建てられる建物がそのまま建つと思う

「準住居地域なら店舗が建つから、調整区域でも建つだろう」は誤り。調整区域は34条特例の独自基準で判定されます。

よくある質問(FAQ)

FAQ

Q. 市街化調整区域に用途地域はありますか?
A. 原則ありません。用途地域は市街化区域に指定されるもので、市街化調整区域には指定されないのが原則です。例外として、特定用途制限地域・地区計画・農林漁業集落地区計画の3ケースで用途的な制限がかかります。

Q. 用途地域がない市街化調整区域はどんな制限がありますか?
A. 都市計画法34条の特例で建築可否が判定されます。4ルート(11号既存集落・12号自己用住宅・14号開発審査会・既存宅地)のいずれかに該当しないと建築不可。用途地域より厳しい運用が多いです。

Q. 市街化調整区域でも建ぺい率・容積率はあるのですか?
A. あります。用途地域がなくても 建築基準法の最低基準として、建ぺい率60%・容積率200%程度が適用されます(市町村により異なる)。許可申請時に建築基準法の確認が必要。

Q. 市街化調整区域に「準住居地域」のような指定はありますか?
A. 原則ありません。市街化調整区域に用途地域は指定されないのが原則。「準住居地域」は市街化区域の用途地域の一つで、調整区域には適用されません。

Q. 市街化調整区域の地区計画とは何ですか?
A. 市町村が特定地区の まちづくりルールとして指定する計画です。市街化調整区域でも適用可能で、建物の用途・規模・高さ・形態などを細かく規制。地区計画が定められたエリアは、通常の調整区域よりも特定の用途が許容されることがあります。

Q. 特定用途制限地域とは何ですか?市街化調整区域に適用されますか?
A. 市町村が用途地域指定のない区域に 特定の用途を制限する地域です。市街化調整区域でも適用可能で、例えば「パチンコ店・ラブホテルを制限する地区」などとして指定されます。

Q. 市街化調整区域に建物を建てる際、用途地域以外で何を確認すべきですか?
A. 5つの確認必須:①市街化調整区域該当の確認、②34条特例該当判定、③地区計画・特定用途制限地域の有無、④農地法(5条転用等)、⑤接道義務(建築基準法42条)。

Q. 市街化調整区域の用途地域は将来変わることがありますか?
A. 稀にあります。市町村の都市計画見直し(5〜10年ごと)で、市街化調整区域から市街化区域への編入時に用途地域が指定されることがあります。ただし全国的にむしろ調整区域拡大の傾向。

Q. 市街化調整区域の用途地域はどこで確認できますか?
A. 市町村の都市計画図サイト(無料・5分)または 市役所都市計画課窓口(300〜500円・最確実)で確認できます。「〇〇市 都市計画図」で検索すれば多くの市町村でWeb地図を公開しています。

市街化調整区域の用途指定を確認するための3つの行動

  1. 市町村の都市計画図サイトで一次確認:用途地域・地区計画・特定用途制限地域の有無
  2. 市役所都市計画課で「都市計画区域内証明書」取得:300〜500円・最確実
  3. 建築士+行政書士のワンストップ事務所に無料相談:34条特例該当判定と用途確認をまとめて
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